広島坂倉将吾捕手(21)が巨人炭谷に弟子入りする。つながりすらなかった球界の先輩に、自ら関係者を介して自主トレ参加を志願。快諾してもらい、来年1月の合同自主トレが実現する。

今季捕手としての出場が、途中出場のわずか3試合。捕手としての飛躍のきっかけをつかむため、経験も実績も豊富な名手の胸に飛び込むことを決意した。

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捕手としてのこだわりが、坂倉の背中を押した。関係者を介し、巨人炭谷の自主トレ参加を志願。普段は人見知りするタイプだが、飛躍のきっかけをつかむためなら、まずは自分の殻を破らないといけない。覚悟を決め、迷わず炭谷道場の門をたたいた。

「やっぱり捕手として出たい。捕手としてやっていくために少しでも知識を吸収できればと思う。土台作り、方向性を見いだせればと思っています」。

炭谷から快諾を得て、来年1月に千葉・館山市内で初コラボが実現する。新たな師はキャッチング、ブロッキング、スローイングなどの捕手技術は高水準。侍ジャパンとしてWBCに2度出場し、世界の舞台とセ・パ両リーグを知る。捕手としての能力、経験は12球団でも随一を誇る。「自分から聞かないと意味がない」と意欲満々だ。

昨オフは打撃開眼のため、鈴木を介して「内川道場」に入門した。今季は51試合に出場し、プロ初本塁打など14安打、7打点はすべてキャリアハイ。成果を示した。だが、出場は代打を主とし、先発4試合はすべて左翼。捕手としての先発は1度もなく、途中からマスクをかぶった試合も3度しかない。捕手として経験の場を与えられたとは言いがたい。

秋季キャンプでは、来季から1軍担当となる倉バッテリーコーチが捕手の技術向上に多くの時間を割いた。他ポジションの練習を極力させず「会沢の壁は高いと思うが、近づけるようにレベルアップさせたい」と期待する。坂倉本人も来季は捕手として勝負するシーズンと位置づける。「やらないといけないと思っている。(来春は)秋と同じじゃいけない。すぐに変わるようなものではないけど、継続していけるような方向性を見つけられれば」。経験も実績も豊富な名手との時間でより多くのものを吸収し、まずは2番手捕手の座を奪い取る。【前原淳】