巨人が来季の新外国人として、韓国プロ野球SKのアンヘル・サンチェス投手(30)と基本合意に達したことが6日、分かった。ドミニカ共和国出身のサンチェスは、今季28試合に登板し、17勝5敗、防御率2・62。17年には米大リーグのパイレーツで8試合登板して1勝を挙げている。大リーグ球団との争奪戦に発展する中で、先発補強を目指した巨人と双方の思惑が一致。メディカルチェックを経て正式発表される。

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リーグ連覇を目指す巨人が、最大の補強ポイントに挙がる先発強化へ、サンチェスと基本合意した。大リーグ時代は最速98・6マイル(約158・7キロ)を記録するなど、力強い直球が武器の大型右腕。18年からは韓国SKに所属し、今季は17勝5敗と圧倒的な成績を残した。複数の大リーグ球団が獲得を目指した中、巨人が争奪戦を制した。

ドミニカ共和国出身のサンチェスは、10年に国外FAでドジャースに加入すると、マイナーリーグを中心に経験を積み、27歳だった17年に大リーグデビュー。調査段階から映像を確認した原監督は「すごくまとまっている。コントロールも、投げ方もすごくきれい。ハングリーさも持ち合わせている」と高く評価する。直球に加え、打者の手元で変化するカットボールを武器に、今季は28試合で被本塁打はわずか2本。制球力にも優れた実戦派で、1年間先発ローテーションを守ることが期待できる。

今季は5年ぶりにリーグ優勝を果たしたが、来季に向けて外国人補強の重要性が高まっていた。リーグ最多15勝を挙げた山口がポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指し、FA戦線では楽天美馬の獲得を逃した。腰痛でシーズン途中に離脱した菅野が11勝を挙げたものの、メルセデス、桜井が8勝、ルーキー高橋が5勝と2ケタ勝利には届いていない。山口の穴を埋める先発補強は最大の課題に挙がっていた。

すでに来季の新外国人として、ヘラルド・パーラ外野手(32=ナショナルズ)、救援のチアゴ・ビエイラ投手(26=ホワイトソックス)と、2人の現役大リーガー獲得が決まっている。守護神デラロサ、先発メルセデスは残留が決定。メディカルチェック後、サンチェスの加入が正式に決定すれば、菅野との2本柱として先発陣をけん引することになる。

◆アンヘル・サンチェス 1989年11月28日、ドミニカ共和国生まれ。10年に国外FAでドジャースと契約。マーリンズ、レイズなどを経て17年にパイレーツで大リーグデビュー。8試合に登板して1勝0敗でシーズン終了後に自由契約。3Aでは通算49試合(先発10)で8勝6敗、防御率3・12。18年からSKでプレーし、今季17勝5敗、防御率2・62。185センチ、88キロ。右投げ右打ち。