中日OBの山崎武司氏(51=野球評論家)が9日、ドラフト1位の東邦・石川昂弥内野手(18)に金言を送った。岐阜県内で「山崎武司チャリティーゴルフコンペ」を主催。ラウンド後、来季から竜に加入する金の卵へ熱弁を振るった。

「石川君はプロの厳しさを早く味わえばいい。スイングはまだ高校生。プロのスピード、変化球についていけない。鼻を折られれば、プロとして一生懸命練習できる」。早く壁にぶつかった方が、実は成長が早い。今夏から球団のスペシャルサポーターも務める元4番は自己体験を盛り込み、熱いアドバイスを送った。

山崎氏も愛知県出身。愛工大名電から86年ドラフト2位で入団したが、開花まで時間はかかった。レギュラー獲得は96年。同年39発を放ち、10年目で初タイトルの本塁打王に輝いた。「オープン戦で打てても、開幕したらプロの投手はなかなか打てないよ。俺でも8、9年かかった」。45歳で引退するまで、403本の本塁打を放った大器晩成のスラッガーは、“焦りは無要”とも説いた。

高校NO・1とも言われる高い打撃力を評価しているからこそのエールだ。「バットコントロールがいい。彼なら3~4年で1軍で活躍できる。根尾も壁に当たっている。2人で3番、4番を務める不動の1軍(レギュラー)になればいい」。石川は3冠王を目標に掲げる。山崎氏は史上3人目の両リーグ本塁打王を達成。同じ高卒の右の主砲として一時代を築いた先輩は、次代を担う同郷スターに大きな期待を寄せている。【伊東大介】