15年目の中日吉見一起投手(35)が7日、背水の覚悟で初の米国自主トレに挑む計画を明かした。

落合監督時代に最多勝や最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、何度も優勝に貢献したベテランだが、昨季は登板5試合で1勝1敗、4年ぶりに2ケタ登板も逃した。「もう35歳だし。いつ(現役が)終わるかわからない。アメリカでシフトチェンジしようと」。トレーニングで訪れたナゴヤ球場で不退転の決意を口にした。

米国自主トレは、トヨタ自動車時代の1年先輩で心酔する日本ハム金子に誘われた。「最近は(日本にも)米国の(トレーニング法)が入ってきている。金子さんにも(米国式が)合うんじゃないか、と言われた」。すでに秋季キャンプからメジャーの練習器具を導入。金子との合同自主トレは初めてだが、迷わず決断できた。近日中に日本をたち、現地に2週間滞在。勝負の戦闘ボディーに鍛え上げる。

昨年は地元大阪で柳、清水ら後輩を連れて自主トレを行ったが、今年は取りやめた。「後輩とやるのがダメではなく、自分のことでいっぱいいっぱい。米国で自分の知らない経験をしたい」。すべては今季にかける覚悟の現れだ。

与田監督からはベテランの山井と並び、投手陣のけん引役を期待されている。今年36歳の年男。12年前の08年は初の2ケタ10勝をマークした。「(ねずみ年は)縁起がいい年。あの年は自分にとっての分岐点になった。ひと回りして同じようになれば」。最後の2ケタ勝利は中日が2位になった高木監督時代の12年。その後チームはBクラスに沈む。吉見復活が強竜復活のカギを握る。【伊東大介】