プロ野球南海(現ソフトバンク)で捕手兼任監督を務め、ヤクルト、阪神、楽天でも指揮を執った野村克也(のむら・かつや)さんが11日午前3時半、虚血性心不全のため死去した。84歳だった。

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静岡県内でも、ノムさんの訃報に衝撃が走った。野村克也さんは阪神監督を務めた後、2002年11月から3年間、社会人野球シダックス(06年廃部)を指揮。キャンプは、シダックス経営で伊豆市にあるリゾート施設「中伊豆ワイナリーヒルズ」の野球場で行っていた。監督や選手らは敷地内のホテルに宿泊。当時、フロント業務をしていた二宮久・副支配人が、名将を悼んだ。

テレビで見る印象から、「ちょっと怖い方かなと思っていました。実際にお会いしたら全く違い、奥様とともに、とても気さくな方でした。(亡くなられたと聞き)とてもびっくりしています。会社としても残念です」と話した。

同様に当時、食事を部屋に運ぶ仕事をした、関連会社の綿引義美・支配人も「優しくて、親しみやすい方でした」と振り返った。野村さんの部屋で、ID野球をまとめていると思われるノートを見かけ、「本当にあるんだと思ったのを覚えています」と述べた。

この日は同球場で、キャンプ中の明治学院大野球部が練習をしていた。野村さんと面識はないという金井信聡監督は「残念なニュースです。私自身、ID野球が大好き。たまたまこの球場で練習していることに、縁を感じます」と語った。【倉橋徹也】