ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が27日、プロ入り後初めて、捕手が座った状態で正規の投球距離で投げた。

宮崎・清武でのオリックスとの練習試合前にブルペン入り。最速163キロを誇る直球は抑えめながらも、全21球の大半がストライクとセンスの良さを見せた。今後数回のブルペンを経て、次段階の「対打者」を目指す。

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佐々木朗がプロ野球選手になって初めて、いるべき場所に座る捕手へと、マウンドから投げた。5分強で直球のみ21球。ロジンを何度も触り、焦らず確かめるように投げた。「しっかり感覚を戻していくための、いい練習だったと思います」と冷静に振り返った。

21球中、ストライクは14球。うち8球は、前里ブルペン捕手のミットが動かなかった。注目されたブルペンで、ストライクを取る。新人選手にとって、決して楽ではない。吉井コーチは「自分は1年目の初ブルペンで1球もストライクが入らなかった。それを思うと素晴らしいです」と、経験者ならではの言葉でセンスあふれる18歳を褒めた。

出力は抑えていた。「めいいっぱい力を入れないで大丈夫」と助言した吉井1軍投手コーチは、腕の振りを「5割くらい」と表現。18・44メートルの感覚を取り戻すことが最優先で、佐々木朗も「軽めの調整じゃないですけど、そういう気持ちで投げました」とマウンド上でも平静だった。

1カ月強に及ぶ1軍キャンプ、遠征を離脱せずに完走した。プロで活躍する基盤を作った。「1つ1つの経験が新しいこと。たくさん経験できてすごく良かったです」と支えてくれた周囲に感謝する。卒業式出席のために地元大船渡へ帰郷し、その後はひとまず2軍練習に合流する。吉井コーチの構想では今後5~6回のブルペン投球を経て、打撃投手として「対打者」の段階へ。ここまでは、すこぶる順調だ。【金子真仁】