ソフトバンクの二塁手争いがヒートアップした。キャンプ地宮崎で最後となる練習試合の西武戦が27日、宮崎アイビースタジアムで行われ、牧原大成内野手(27)が腰痛から復帰初戦で適時打を放てば、周東佑京内野手(24)も2安打3打点をマークした。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため無観客で行われる中、サバイバルレースを展開した。チームは「対外試合4連勝」で福岡へ戻った。

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観客は誰もいなかったが、グラウンドではソフトバンクの二塁手争いで火花が散った。腰痛で別メニュー調整だった牧原が、自身初の対外試合に「8番二塁」で先発し、いきなり結果を出した。

3回の第2打席。2死一、三塁で右前打を放った。「打撃フォームどうこうではない、どんな形でもいいから結果にこだわった」とゴロで一、二塁間を抜いた。守っても二塁ベース後方のゴロをさばいてアウトにするなど、腰痛の影響はなし。「体はなんの問題もない。走塁も全力でいけた」。牧原は22日に腰痛で別メニューとなった。翌23日のチームのオープン戦初戦となったオリックス戦では、ライバル周東が1発を含む3安打3打点の大活躍。「よく打つなとは思ったが、焦る必要はないと。自分ができることをやろうと思った」。ランニング、打撃、守備と1つ1つ階段を上るように調整し、この日を迎えた。「周東が打つことでいい刺激になる。互いにレベルアップしていきたい」。2回は周東の適時打で自分がホームを踏んでいた。燃えないわけにはいかなかった。

「1番三塁」で先発の周東も負けてはない。2回2死二塁で右前適時打。3回には牧原が適時打を放った後の2死満塁で外角球をうまくさばいて、三塁手の頭を越える安打で2打点を加えた。「牧原さんも帰ってきたし、切磋琢磨(せっさたくま)していければ。ここまでは練習してきた成果が結果になっている」と声を弾ませた。

工藤監督もサバイバルレースを大歓迎した。牧原には「結果が出たのはいい」と話し、周東は二塁だけでなく三塁、外野もこなせるとあって「バリエーションが増えるのはいい」。ライバル争いが互いをレベルアップする好循環。無観客試合で歓声こそなかったが、オープン戦、練習試合と「対外試合4連勝」でチームも気分よく福岡に戻った。【浦田由紀夫】