中日のドラフト1位石川昂弥内野手(18=東邦)が28日、沖縄・読谷での2軍キャンプを打ち上げた。序盤は練習試合で適時打を打つなど順調だったが、中盤に発症した左肩腱板(けんばん)炎のため最終日も別メニューで調整。本格的な打撃練習を再開しておらず、不本意なキャンプを「60点」と振り返った。3月3日からは2軍遠征に同行する。

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真っ白な背番号2のユニホームに袖を通して柵越え15本で始まったキャンプを別メニューで終えた。期待のルーキー石川昂はキャンプの点数について聞かれ、数秒考えてから口にした。「60点くらいですね」。プロの世界に慣れ、浮き沈みを感じた1カ月だった。

3日に初の実戦形式となるシート打撃で二塁打を放ち、7日の沖縄電力と2軍の練習試合では12球団の新人で対外試合に真っ先に出場。2打数1安打1打点と結果を出した。ともに視察した与田監督は「対応能力が素晴らしい」とべた褒めで、19日に巨人との練習試合で1軍デビューさせる予定だった。「プロの球を見られたこと」「実戦に出られたこと。プロ相手ではなかったけど、打てたこと」。石川昂がキャンプで満足した点に挙げたのはこの2点だった。

それだけに故障が悔やまれた。16日に左肩の違和感を感じ、翌17日から別メニューとなった。「チャンスが目の前にあったのにケガをした」と振り返り、キャンプ60点評価のわけを「ケガのことがほとんどです」と唇をかんだ。プロで通用する実感はあったかと聞かれると「感じなかった」と正直な一方、「しっかり経験して努力すればやっていける実感はあった」とも言った。

29日に母校・東邦の卒業式に出席し、同日にも名古屋市内でチームドクターの再検査を受ける予定だ。「もうすぐ(打撃練習に)復帰できるところまで来ている。まずはフリー打撃で思い切り自分のスイングができるようにやっていきたい」。2軍は3月3日からの春季教育リーグ・オリックス、阪神6連戦で関西へ遠征する。石川昂も同行することが決まっている。「今は(開幕1軍を)考えないようにする。2軍で結果を残して、1軍に上がれるようにようにしたい」。将来の主砲候補は焦らず調整し、打撃解禁の青信号がともるを待っている。【伊東大介】