日本ハム横尾俊建内野手(26)が“ガッツさまさま”の打撃力でアピールした。阪神とのオープン戦に6番一塁でスタメン出場。6回2死満塁で左前2点適時打を放つなど2安打2打点をマークした。6日阪神戦で三塁のレギュラー筆頭候補のビヤヌエバが左手首を打撲して暗雲が垂れ込める中、三塁を守れる横尾が存在感を示した。

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バットを立てた横尾が、しなやかなフォームから投球にコンタクトした。6回2死満塁。現役時代の小笠原ヘッド兼打撃コーチを連想させるフォームから、外角低めの141キロ直球をコンパクトに振り抜いた。痛烈に三遊間を抜け、左前2点打。「対外試合から継続で、やりたいことが出来ている」と確かな自信が、一打につながった。

ガッツ門下生が、結果を残した。昨年10月の秋季キャンプから今年2月の春季キャンプに渡り、小笠原ヘッド兼打撃コーチから徹底して指導を受けた1人。打撃フォームは「バットを出しやすくしたら、勝手になっている」と無意識に定着しつつある。「本当に、小笠原コーチのおかげです。本当に、そうです」と胸を張って言い切った。大卒5年目。伸び悩んでいた長距離砲は、殻を破りつつある。

定位置を、貪欲に狙っている。前日6日に三塁のレギュラー筆頭候補のビヤヌエバが左手首を打撲。試合出場は状態を見ながらになるが、三塁も守れる横尾は「そういう時のために、常に結果を出していきたい」と頼もしい。この日は5打数2安打2打点の打撃だけではなく、途中から三塁に就いて存在感を示した。「常にチャンスをものに出来るようにしたい」と穏やかな瞳で、虎視眈々(たんたん)と狙っている。

昨季は開幕1軍スタートも不振のため5月10日に出場選手登録を抹消された。シーズンを通して1軍定着とはならず、悔しさを胸に秘め打撃力を磨いてきた。オープン戦は全9試合に出場中で、打率3割3分3厘、4打点を残している。持ち味の本塁打は出ていないが、確実性はアップ。力強く、新たな幕開けを迎える。【田中彩友美】