甲子園を沸かせた「平成の怪物」が、高校球児に寄り添った。西武松坂大輔投手が12日、球団施設トレーニングセンターで調整。センバツ中止決定の報を受けて心境を語った。

「出場が決まっていた選手の気持ちを考えるとショックです。仕方ないとはいえ、ショックだった」と球児を思いやった。

横浜高時代、98年の第70回大会に出場し全5試合を投げ抜き優勝。野球人として大きな1歩を刻んだ。聖地は「一生に1度あるかないかの人もいる。僕も(人生が)変わった。変えられた」と特別な場所だった。

開催の道を最後まで模索した高野連、関係各所の対応には理解を示した。同時に「今大会をなかったことにするのではなく、出場が決まっていた高校を優遇するとか、夏に出場校を増やしたり、今年に限っては違う形で夏の大会をやってもいい」と夏拡大プランを持論として唱えた。

怪物を育てた甲子園には、高校球児の夢、目標、希望が凝縮されている。「甲子園の成績は人生に関わってくる。センバツがなくなって失うものもある。みんながハッピーになってほしい」と強く、熱く、願った。【為田聡史】