巨人原辰徳監督(61)が「三原ノート」の教えを胸に、選手たちとともに難局を乗り越えていく。19日、東京ドームで全体練習を行い、巨人、西鉄などで監督通算1687勝を挙げ、魔術師と称された故三原脩氏の自筆の大学ノートから学んだ経験を明かした。

現役の後半、娘婿の中西太氏を介して実物を手にした。「人生訓だったり、プロとは、みたいなものが書いてある。『プロとは限界というものを自分で決めない。むしろ限界を超えたところに我々の世界がある』と。そう考えることで前向きになれる」と共感。自らの指針にもしてきた。

本来の日程であれば、開幕前日となった練習日。三原氏から学んだ言葉の1つに「日々新たなり」がある。指揮官は「野球は毎試合行われる部分において、自分の大事な言葉として残っている。しかし日々心境が『新たなり』になかなかならないつらさがあるね」。

開幕日が定まらない状況の中、練習前には外野に選手を集めて語り掛けた。

「僕自身も毎日不安な状態で朝を迎えている。しかし我々はユニホームを着て、プロとしている。まずは1日、今日のベストを尽くそうと思ってやることだと。今は計画性が立てづらいけどベストを尽くす。プロらしく野球に向き合おう」

先人から学び、後輩に伝える。日々繰り返し、来るべき日に備えている。【前田祐輔】