楽しみやで! 阪神ドラフト1位の西純矢投手(18=創志学園)が19日、オリックス2軍との練習試合(オセアンBS)に登板。NPB球団と初対戦になったが、3球三振を奪うなど1回を3者凡退に抑えた。最速は149キロを計測。矢野監督はイキの良さを高評価。将来のエース候補が虎党に夢を与える投球を見せた。
◇ ◇ ◇
プロの打者との初対決で、西純の輝きはさらに増した。8回にマウンドに上がると、先頭根本に対し、初球から直球勝負を挑んだ。ストライクを奪うと、2球目はこの日の最速149キロでファウル。最後は143キロフォークで空振りを奪い、3球三振。「すごい手応えというか、指にしっかりかかっていたな、と思います」。続く岡崎にはカウント3-1とカウント不利な状況から中飛に抑える。最後は白崎を武器のスライダーで三ゴロに打ち取った。NPB球団を相手に、初マウンドで堂々の3者凡退だった。
プロ初登板となった13日の関西国際大戦では、1回1安打1失点。デビュー戦を経験したことで、落ち着きを取り戻した。矢野監督の視察も意識せずに、大胆に腕を振った。「気持ちの面でも、前回はすごく緊張したんですけど、今回は慣れもあって、すごく落ち着いて投げることができたかなと思います」。手応えは149キロの直球にあった。「真っすぐでもファウルを取れていたんで、自分の思ったように投げられたかな」。春季キャンプから練習を重ね、直球のキレは増している。2度目の実戦に、納得の表情を見せた。
初めて登板を視察した矢野監督もルーキーの快投に頬を緩ませた。「落ち着いて投げられていたしね。十分じゃない? これくらい投げられれば。スケールの大きいピッチャーになってもらいたい。いいスタートが切れたと思います」と合格点を与えた。
他の投手との兼ね合いもあるが、次回登板は2イニング程度で25、26日のソフトバンク2軍との練習試合(鳴尾浜)を目指す。ロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川、そして同僚の左腕及川の「高校四天王」で、1軍デビューの最短距離に位置する。将来のエース候補に期待は膨らむばかり。西純よ、1年目から甲子園を沸かせてくれ!【磯綾乃】
▽阪神平田2軍監督(西純について)「落ち着いてきてるよね。フォークで三振も取れて、コントロールもいい。言うことないんじゃない。スピードもあったし。すごく次の登板が楽しみだよね」
★西純の投球内容★
【2番根本】
空振り 直球 -
ファウル 直球 149キロ
空振り三振 フォーク 143キロ
【3番岡崎】
ボール カーブ 123キロ
ファウル 直球 -
ボール 直球 -
ボール 直球 -146キロ
中飛 スライダー 136キロ
【4番白崎】
三ゴロ スライダー 132キロ
全9球、最速149キロ。
-は球場球速表示なし
<近年の主な高卒新人投手初のNPB対外試合>
◆西武・松坂大輔(99年2月28日、オープン戦阪神戦)先発で2回1失点。大豊にプロ初の被本塁打を浴びたが、打者9人を2安打でまとめた。「プロの雰囲気を感じました。どれだけプロの壁を突き破れるか、ということでやってきて、収穫もありました」。
◆楽天・田中将大(07年2月26日、練習試合ロッテ戦)2回2安打4K無失点で野村克也監督を喜ばせた。西岡、サブロー、今江らとの対戦に「テレビで見てきた人たちだったので、楽しかったですよ」。
◆日本ハム・大谷翔平(13年3月10日、教育リーグヤクルト戦)2番手として登板し2回を1安打無失点。プロ第1球でいきなり151キロ。「無駄に速いのではなく、質のいい球を投げられたらと思いました」。