西武の守護神、増田達至投手(32)が、ヒゲの願掛けで開幕を待つ。32歳の誕生日を迎えた23日、埼玉・所沢のメットライフドームで自主練習を行った。口元からアゴにかけてヒゲをたっぷりと蓄え「早く開幕を迎えたいですし、まずは早く全体練習を始めたいですね。その日まで、このヒゲは伸ばしておきます。全体練習再開の日には剃ってきます」と、開幕への願掛けで伸ばし続ける。

1年前を思い出していた。19年4月23日、ZOZOマリンでのロッテ戦。9-9の延長10回のマウンドに上がった。2番からの上位打線、回またぎで6人を完璧に抑えた。5時間21分に及ぶ激戦は延長12回引き分け。1歩も譲らなかった。「マウンドに上がったら、レフトスタンドから応援団がハッピーバースデーを演奏してくれたんです。これ、打たれてサヨナラ負けはシャレにならんぞって(笑い)。無事に2イニング抑えられましたが、本当に緊張した試合でした」。プロ入りして誕生日は2試合3回無失点と験がいい。

昨季30セーブを挙げた守護神も、公式戦の緊迫感を今季はまだ味わえていない。今、戦うべき相手は見えない敵だ。「コロナに負けず、ともにがんばりましょう」と、共闘をファンに呼びかけた。