数字が本物を証明した。巨人セットアッパー候補の最速167キロ右腕ビエイラが24日、東京ドームで行われた1軍練習に参加。実戦を想定した練習で打者相手に投げ込み、トラックマンで160キロを計測した。

「まだまだやらなければいけないことがあると思うが、今日の(対打者に対しての)状態には満足している」とニヤリと笑った。

プロ野球が開幕に向け、少しずつ動きだす中、ブラジル出身右腕も調子を上げてきた。2月の宮崎キャンプで来日初のフリー打撃に登板した際には、25球中20球がボールと制球を乱した。「少しずつ慣れていければ。自分は天才ではないので、練習をしながらうまくなっていくタイプ」と話していた通り、個人調整期間中、球場に一番乗りするなど努力を重ねた。制球難も克服し、投球ごとにタイミングを外す「マリーシア投法」にも取り組むなど、日本野球に対応するため、工夫も凝らした。

記録更新も現実味を帯びてきた。日本球界最速は大谷翔平が日本ハム時代の16年に記録した165キロ。ビエイラは16年にマイナーで、104マイル(約167キロ)を計測しており、27歳という年齢を考えても期待が高まる。投球と数字でファンを魅了するためにも、まずは開幕1軍を目指す。【久永壮真】

◆球速メモ プロ野球の最速は、大谷(日本ハム)が16年10月16日、CSのソフトバンク戦で記録した165キロ。公式戦では同じ大谷が16年9月3日、オリックス戦で出した164キロが最速。大リーグでは、チャプマンがレッズ時代の11年に球場表示106マイル(約171キロ)をマークも、大リーグ統一採用の測定器ではないため非公認。動作解析システム導入の15年以降は16年チャプマン(ヤンキース)18年ヒックス(カージナルス)の105・1マイル(約169キロ)が最速。