ドラフト2位ルーキーも忘れるな! ロッテ佐藤都志也捕手(22=東洋大)が5日、楽天との練習試合に「7番DH」で先発し、相手エース則本昂大投手からの1発を含む2本塁打と爆発した。

正捕手田村が急性腰痛で離脱した翌日にインパクト大の猛アピール。同1位佐々木朗、同5位福田光の陰に隠れてきたが、「6・19」まで残り2週間、一気に開幕スタメン候補に名乗りを上げた。

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開幕日が近づき、佐藤は焦っていた。

「客観的に(1軍)当落線上だと思っていました。打てる捕手として期待されているのに、全然打てていなくて、すごく焦りもありました」

そんな“壁”をひと振りで打破した。2回2死、マウンドには則本昂。「絶対に振り負けないように」と2ボールからの145キロ直球に、心を決めた。弾道は低く、一塁まで全力疾走。無人の右翼席中段に白球の弾みを見つけると、少しだけスピードを緩めた。

試合は、1番福田光の初回初球特大ファウルから始まった。一流投手にも臆さない同期の思い切りは、高く評価されてきた。一方で佐藤は「タイミングは合っているのに前に飛ばない」。悩みの中で軸のずれに気付いた。「左肩が前に出て、ポイントがずれてしまっていた」。清田ら先輩からのアドバイスに感謝しながら修正に努め、結果につなげた。

7回にもバックスクリーン右へ放り込み、佐藤都志也の存在を首脳陣に深く刻んだ。「さとうとしや」とウェブ検索すると、ずらっと並ぶのは人気野球漫画MAJORの名捕手・佐藤寿也の名。「アニメをよく見ていました」と笑い、何度も何度も「同じ名前だね」と言われながら、同じプロ野球選手に上り詰めた。

目標は開幕1軍だった。しかし、正捕手田村に不安が生じ、事態は変わった。柿沼、江村も控える中での強烈アピール。井口監督も「試合勘のある選手。正捕手争いにしっかり加わってくれている」と攻守両面での期待を高めた。「チャンスをものにできるかどうか、これからの自分次第だと思っている。ものにできるように」と“リアル・さとうとしや”は燃えている。6日の楽天戦は、開幕投手の石川とバッテリーを組む可能性が高い。【金子真仁】

◆佐藤都志也(さとう・としや)1998年(平10)1月27日生まれ。福島県いわき市出身。聖光学院(福島)では高2、高3と2年連続夏の甲子園出場。東洋大では1学年上のDeNA上茶谷、ソフトバンク甲斐野らをリード。181センチ、83キロ。右投げ左打ち。

◆新人捕手の開幕戦スタメン 2リーグ制後11人が出場。ロッテでは97年4月5日日本ハム戦(東京ドーム)で、青学大から入団した清水将海(現バッテリーコーチ)が7回に関根からダメ押しソロを放ち、小宮山の完封をリードした。01年には阿部慎之助(巨人)が初打席の2点二塁打など4打点をマークした。