モンスター弾だ。ソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が広島の開幕投手大瀬良撃ちで3戦連発のソロ。ほぼ右手1本で左中間のホームランテラスに放り込む驚異的な技を披露した。再開後の練習試合10試合で両リーグ最多の6発。今季120試合換算なら72本ペースだ。この日1つのオプションとして試した「2番柳田」が、記録的な本塁打量産シーズンを予感させた。

  ◇    ◇    ◇

誰もが目を疑った。柳田が3回、広島開幕投手の大瀬良が投じた外角低め117キロのカーブに泳がされながら、ほぼ右手1本で振り抜いた。左飛かと思いきや、打球はグングン伸びて左中間のホームランテラスへ。信じられない表情を浮かべる大瀬良とは対照的に、柳田は悠々とダイヤモンドを1周した。3戦連発で、練習試合再開後は10試合で12球団最多となる6本目のアーチ。驚きの光景がペイペイドームを支配した。

柳田 入るとは思わなかったけど、バットの芯に当たったし、打ち方も良かった。体のキレもいい。

誰にもまねできない打法に本人は大満足だった。昨年11月に右肘手術を受け、今春キャンプはB組スタート。じっくり調整して1軍に上がった途端に、新型コロナウイルス感染の影響で活動休止となった。気持ちが切れかかってもおかしくないが、自主練習が続く日々も準備は整えてきた。「体脂肪も落ちている。数字は分かりませんが、自分で分かるんです。動きとか見た目とか。シーズンの調子いい時、打っている時の感じですかね」。昨年8月、左膝痛から復帰した時に流した涙は無駄にできない。

現役時代、本塁打を追求し続けたソフトバンク王球団会長は、こう振り返っている。「3連戦で1本ホームランを打つことを目標にしていた」。130試合が多かった当時で計算すれば、40本をクリアできる。柳田はこの練習試合3連戦全てで本塁打を放ち、「3戦1本」ペースをはるかに上回っている。今季120試合換算で72本ペース。「柳田のいいところはフルスイングできるところ。だから、左方向へ大きい打球が打てる」。王会長もうらやむパワーと技術を兼ね備えているからこそなせる技だ。

柳田 これが開幕してからの3戦連発だったらいいですけどね。でも、テレビで見ている、開幕を待っているファンに1本でも多く(本塁打を)見てもらうのはいいことです。

自分もファンも待ちわびた開幕へ。心技体すべて「サイコー」な男が、異例のシーズンを歴史的なシーズンに変える。【浦田由紀夫】