阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18)が、約3カ月ぶりの実戦5号を放った。

OBC高島とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)に4番右翼で出場。5回2死無走者、アンダースロー右腕永井の外寄り低め、139キロ直球を中堅席左にたたき込んだ。「完璧という感じではなく少し詰まり気味だったんですけど、しっかりタイミングも取れました」。3月20日の2軍中日戦(ナゴヤ球場)以来の会心アーチだ。

打席内での工夫が光った。変則投手を相手に通常よりベース寄りに立ち、ストライクゾーンの意識を外角にずらした。「アンダーやサイド(の投手)は抜け球が多くなる。(ベース寄りの)ラインぎりぎりに立って、アウトコースのストライクゾーンを1個向こう(外)にもっていくぐらいの気持ちで立って。それがしっかりできたかなと思います」。最終的に外角寄りの球が来たが「真ん中内くらいの感覚で打てた」としてやったり。早くも実戦5号で右投手から2本目。変則も苦にせず、左右の壁も感じさせない。

前日の大和高田クラブ戦の猛打賞に続く2安打。自分の間を意識し「一番はタイミング」と好調の要因を分析した。平田勝男監督は今後も4番起用で、スラッガーとしての英才教育を進める。「自分が打たないと負け試合が増えてくると思う。自覚をしっかり持ち、自分が打って試合に勝てるようにしたい」。大型新人の成長が著しい。【奥田隼人】

▽阪神平田2軍監督(井上について)「社会人相手とはいえ、見事なバッティング。大きい体をしているけど意外と振りがコンパクトに打つ。やっぱりあいつの魅力だね」

◆阪神井上本塁打カルテ

1号 (2月15日、四国銀行戦(2軍練習試合)、安芸)1死二塁、左翼2ラン 左腕(プロ初打席初球)

2号 (2月23日、西武戦(2軍練習試合)、高知東部)無死無走者、左翼ソロ 伊藤(バット折りながら)

3号 (3月13日、関西国際大戦(プロアマ交流戦、鳴尾浜)無死二塁、左翼2ラン 左腕(4番で1号)

4号 (3月20日、中日戦(2軍練習試合)、ナゴヤ)左翼ソロ、2死無走者 笠原(竜ドラ1石川昂の前で)

5号 (6月14日、OBC高島戦(プロアマ交流戦)、鳴尾浜)2死無走者、中堅ソロ 右腕(アンダースローを攻略)