60年ぶりに歴史を塗り替える。広島ホセ・ピレラ外野手(30)が、60年の平山智以来60年ぶり、球団外国人選手では3人目の開幕1番に起用される可能性が15日、高まった。2日に再開した練習試合ではさまざまな打順を試し、1番で適性を示した。延期期間に調子を上げたメヒアとの外国人コンビで新打線をけん引する。

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外国人枠の拡大を追い風に、広島が開幕に向かう。2日以降の練習試合で、2試合続けて同じオーダーを組まなかったが、ついに打線の形が見えてきた。朝山打撃コーチは「(4番鈴木)誠也を軸に、誠也の前にいかに走者をためるか」と攻撃のイメージを描く。カギを握るのは、2人の外国人選手。特に11試合すべてで上位打線に起用されたピレラが攻撃陣のけん引役を担う。

新助っ人は開幕が延期になった期間を生かし、日本人投手の球筋や配球に順応してきた。練習試合を7試合連続安打で締め、開幕へ弾みをつけた。朝山打撃コーチは「しばらくこういう形になるだろう。攻撃的な打撃ができる」。練習試合で四球ゼロも、三振率1割4分。広島の外国人選手としては60年の平山智以来60年ぶり球団史上3人目の開幕1番が期待される。

鈴木誠とともに攻撃陣の軸となる西川を上位打線に配置できるようになったのは、5番メヒアの急成長がある。練習試合では12球団1位の15打点、同2位タイの5本塁打をマーク。まだ粗削りではあるが、同打撃コーチは「今のような打撃をやってくれれば誠也の負担も減る」と認める。2番につなぎ役の菊池涼を加え、5番までは固定できる見通しが立った。

下位打線には実績者で守備での貢献度の高い会沢と田中広を置き、相手投手によって長野や堂林、安部らを起用することになりそうだ。エース大瀬良やジョンソンが先発するときには守備力を考慮した打線を組むことも考えられる。

朝山打撃コーチが攻撃陣に求めるつなぎの意識は練習試合11試合で12球団2位の46四球の数字からもみえた。開幕まであと3日。17日ソフトバンク2軍との練習試合には1軍ローテーション左腕ムーアの先発が予想され、開幕戦の相手となる仮想今永として堂林らが派遣される可能性もある。最善の準備をして、佐々岡体制1年目のシーズンに備える。【前原淳】

<広島予想スタメン>

1(左)or(一)ピレラ

2(二)菊池涼

3(中)西川

4(右)鈴木誠

5(三)メヒア

6(一)堂林(左)長野

7(捕)会沢

8(遊)田中広

9(投)大瀬良

<広島の開幕1軍助っ人>

先発 ジョンソン

抑え スコット

セットアッパー フランスア

1番 ピレラ

中軸 メヒア