勝ちはついてくる-。広島のドラフト1位森下暢仁投手(22)が22日、プロ初登板初先発した21日DeNA戦(横浜スタジアム)の快投から一夜明け、東京・大田スタジアムで汗を流した。7回4安打無失点の好投も実らず、チームはサヨナラ負け。家族や友人らからの励ましとともに、エース大瀬良からも激励の言葉を贈られた。

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森下はデビュー戦から一夜明け、リラックスした表情で投手練習に臨んだ。7回4安打無失点。救援スコットの炎上で初勝利は逃したが、圧巻の投球でプロ人生をスタートさせた。テレビに映る背番号18にくぎ付けになっていた家族や友人らからは「良いスタートが切れたんじゃないか」とねぎらいが多く寄せられた。反響の多さに「いろんな人が(試合を)見てくれていたんだなと感じました」と感慨深げに話した。

プロ初登板は序盤こそピンチを招いたものの、中盤以降はDeNA打線を翻弄(ほんろう)。ドラフト1の実力を、いきなり発揮した。大きな手応えをつかみながらも、プロの厳しさを目の当たりに。「そう簡単には勝ちがつかないのがプロ野球だなとあらためて思いました」と前夜を振り返った。

「ナイスピッチング! 勝ちはこれからついてくるから」

エース大瀬良からも激励の言葉を贈られた。14年4月2日ヤクルト戦(マツダスタジアム)が大瀬良のプロ初登板初先発。7回5安打2失点で、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。しかし9回に追いつかれ、初勝利はお預け。その後、同4月16日阪神戦(マツダスタジアム)でプロ初勝利を挙げると勝ち星を2桁まで積み重ね、新人王に輝いた。似たような境遇にいたからこそ、かけた言葉なのかもしれない。

開幕戦の19日DeNA戦(横浜スタジアム)で完投勝利を挙げたエースの姿が、刺激となった。「先頭打者への入り方、マウンドでの落ち着き、テンポ…。特にテンポは野手にもリズムが行くような投球をされていた。そういうところを見習っていきたい」。先輩のエールを胸に、まずはプロ1勝目へ突き進む。【古財稜明】