IT企業のIT(意識高い)エースだ! DeNA今永昇太投手(26)が、8回を114球、4安打無失点で今季初勝利を挙げた。26日阪神1回戦(横浜)で先発し、最速150キロの直球とチェンジアップを軸に7奪三振。何事にもこだわりを持ち「意識高い系」と称される左腕が、チームを5連勝に導いた。

チーム最大音量67デシベルのアナウンスに乗りマウンドへ。課題の立ち上がりを3者凡退でリズムに乗ると3回までパーフェクト。その後もチェンジアップを低めに集め三振と凡打の山を築いた。「チェンジアップは回を追うごとに精度が増していきました」とほぼ納得の左腕。それでも「7回に大山さんにヒットを打たれた。ああいったチェンジアップは僕の中で怖いボール。(ストライク)ゾーンに残っていますし。僕の中では反省はやっておかなければいけないなと思いました」と引き締めた。

意識高く臨んだ2戦目だ。19日開幕戦は雨の中で5回2失点。降板後のベンチで広島大瀬良の投球を注視した。「僕は上と下がバラバラだったけど、大瀬良さんは雨の中で下半身が安定して再現性の高いフォーム。出力を抑えてマウンドをうまく利用していた」。1週間後のハマスタで見事に修正してみせた。

63デシベルの勝利の余韻を味わうと、今季初のお立ち台でも「らしさ」を見せた。「今日はしっかり炭水化物を試合後30分以内に取らないと。筋肉の衰えは始まっている」。DeNAのITエースが、研さんを重ねていく。【鈴木正章】

▽DeNAオースティン(8回に2試合連続となる2号2ラン)「ヤッター! ライナーの打球を強く意識した。今永が粘り強く投げていたので追加点を取ることができうれしい」