阪神が8日に巨人との仕切り直しの甲子園開幕を迎える。7日に予定されていた巨人4回戦は天候不良で中止となった。

注目される一戦では、今季初の連勝を飾った「4番大山」を軸にした打線が組まれる可能性が高い。東京ドームでの巨人3連戦は3連敗と悔しい結果に終わったが、今回は打線の状態も上がっているだけに、巻き返しの歩みを加速させてみせる。

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仕切り直しの甲子園開幕は、今後を占う重要な一戦となりそうだ。この日の中止が決まり、矢野監督は「5カード苦しい戦いで(最後)連勝できて開幕というところだったんで。もちろん残念。でも、こればかりはどうしようもない。プラスの部分はプラスにとらえて、明日からまたやっていきたい」と前を向いた。注目されるのはオーダーをいかに組むか。指揮官は「その時にならないと分からない」としたが、4番大山が基本線とみられる。

大山は4日広島戦で、左ふくらはぎの張りを訴えたマルテに代わって途中出場し、今季1号を放った。翌5日には先発4番で2戦連発をマークした上に、マルチ安打も記録。矢野監督の期待も大きく「内容も中身もしっかりある。まだまだポテンシャルを持っている選手。(競争が激しい中で)ここから本当に押しのけていく選手に。そういうものを期待しています」。さらに、井上打撃コーチも「悠輔があれだけのものを見せてくれると『外したくない』という思いに監督や俺らもなる。ポジションの幅も広がってきているから、何らかの形でオーダーに組み込みたいというのは監督も俺も同じ考え」とした。

マルテもこの日の練習から打撃を再開するなど回復傾向にあるが、井上打撃コーチは「打つことに関しては問題ないと思うけれども、走ることは場所が場所なだけに、中途半端な形で試合に出すと長引く可能性もある。慎重を期さなければいけない」と説明。虎の反攻にそのバットは欠かせないだけに、慎重に復帰時期を見極める必要がある。

5番の大砲ボーアが5日にグランドスラムを放つなど状態を上げているのも頼もしい。井上コーチはオーダーについて「うまくことが運んでいるうちはあえて変える必要はないと思っている。打順をごそっと(変更する)というのは今のところ考えていないですね」とも。大山が先発4番に入った5日に阪神は今季初の連勝とカード勝ち越しを決めた。開幕3連敗を喫した宿敵巨人との本拠地初戦。「連勝オーダー」でさらに白星を連ねたい。【松井周治】