中日が超総力戦に敗れた。1点を追う延長10回2死満塁。野手を使い切っていた攻撃で、投手岡田の代打に投手三ツ間を送ったが空振り三振に倒れて終戦した。先発柳の7回10奪三振1失点の力投も、ライデル・マルティネスとアリエル・マルティネスによる日本球界初のキューバ・バッテリーの実現も実らず。4番手岡田が10回に押し出し四球を与え、5割復帰も3位浮上も消えた。

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延長10回、4番手岡田が2死満塁から押し出し四球で決勝点を与えた。その裏の2死満塁では野手を使い切っていたため、岡田の代打は中継ぎ投手の三ツ間という異例の超総力戦。三ツ間は懸命にバットを出すが、空振り三振に倒れゲームセット。キューババッテリーの投入、先発柳の力投も実らず、ヤクルトに競り負けた。

10回表の守備から加藤を3人目の捕手として9番に入れた。これでベンチ入り野手16人はすべて出場。10回裏2死二、三塁の場面でヤクルトは8番岡田に打席が回ることを見越して7番京田を申告敬遠。中日ベンチは過去5打席で無安打の投手三ツ間を代打に送るしかなった。

出場選手枠「31」に対して2つ空いているうちの野手1枠の登録も見送っていたことも結果的に響いた。与田監督は「加藤と岡田(の打順)のところをね、それは完全な僕のミスなので。交代を特に迷ってしまったのがこういう結果になったので。最終的にそこの判断を誤ったというところです」と野手起用と打順の置き所を反省。さらに「枠もひとつ残っている中で予備のために置いておくこともしなかったのでそういったことも含めて監督の責任だと思います」と痛恨の黒星を総括した。

超総力戦の中、キューバ出身の「マルティネスバッテリー」が実現したのは9回だった。1日に支配下登録され、3日からの巨人3連戦でデビューしたアリエルが7回に代打出場。そのままマスクをかぶり、9回からライデルが登板。なんとか無失点で切り抜けた。先発柳の力投も報われることなく、最後はベンチワークの乱れもあり、ヤクルトに苦杯を喫した。与田監督は「ひとつの枠をどう考えるか。すごく大事になってくると思うのでホントにこの反省を次に生かさなければいけないと思います」と結んだ。【安藤宏樹】

▽中日木下拓(粘りのリードに2安打)「苦しいイニングが続きましたが、なんとか粘れたと思います。打つ方は打つべき球が打てたと思います」

▽中日福(2番手で1回を3人でピシャリ。開幕から8試合連続無失点)「やるべきことがやれている結果が、0なのかなと思います。勝っていても負けていても投げることは一緒なので、自分のやるべきことはこれからも続けます」