楽天が有観客になってから初めてのホーム戦を白星で飾り、連敗を3で止めた。3番に入った主将の茂木栄五郎内野手(26)が2号3ラン、4番浅村栄斗内野手(29)は両リーグ最速の今季10号を放つなど、打線が10安打11得点と大爆発。雨の中、7回1安打無失点と好投した涌井秀章投手(34)を強力に援護した。

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楽天打線がホームのファンの前で息を吹き返した。4回に鈴木大の適時打で2点を先制した直後の2死一、三塁。「(ファンに)生で見てもらうというのはすごくうれしいですし、気合が入りました」という茂木が、西武今井の146キロ直球をバックスクリーン右へ豪快に運んだ。

「昨日の練習から少しフォームを変えてすごくいい形になっている」という納得の一打。三木監督も「先に点を取れたし、2アウトからチャンスをつくれて。大地が勝負強さをだしてくれて、続いて茂木も思いきっていけた。みんなでつないで良い攻撃だった」と選手たちをたたえた。

4回に5点を先制すると、試合を決定づけたのは7回。今度は先頭の浅村が西武浜屋の141キロ直球を“らしく”右翼席へたたきこんだ。ここから打者一巡の猛攻で一挙6点。小深田にプロ初打点も生まれた。ソフトバンクとの前カードは2勝4敗と今季初めて負け越し、最後の3試合は計6点しか奪えず3連敗した。後遺症が心配されたが、まったくの杞憂(きゆう)に終わった。

そのソフトバンク戦で2試合に欠場し「本当は全試合出場したかった」と悔しい思いをしていた茂木が1発を放ったことは価値がある。主将を今季2度目の3番に抜てきした三木監督は「練習でもしっかり取り組んでくれている。それがしっかり結果に結び付いて良かった」と笑顔を見せた。「いろんな試合があるが、今日は今季初めてお客さんがいる前でやる。なんとしても勝ちたかった」(三木監督)という一戦を最高の形で勝利し、チームは再び力強く歩みはじめた。【千葉修宏】