今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論で注目プレーを評論します。2点差に迫られた広島は5回裏にプロ初スタメンの2番羽月が右中間への適時三塁打でリードを再び広げた。この場面を解説した。

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5回裏2死一、二塁で、阪神は前進守備のシフトを敷いた。まだ5回ということで、ここまで大胆にするイニングではないが、2軍での羽月のデータも入手しているだろう。追い上げた後で1点もやりたくないという状況もあり、割り切ったシフトになった。通常なら右飛だが、羽月もよくあそこまで飛ばした。2回もセーフティースクイズを決め、ラッキーボーイ的な存在になった。安部が結果を残せずに出場選手登録を抹消。鈴木誠や菊池涼らレギュラーが休養を取った中で、若手が活躍すれば、チームも勢いづく。流れを再び引き寄せる得点になった。

◆羽月隆太郎(はつき・りゅうたろう)2000年(平12)4月19日、宮崎市生まれ。小学校2年から「国富ドッグベアーズ」で投手として軟式野球を始め、中学時代は「宮崎リトルシニア」で二塁手に。神村学園では1年夏からレギュラー。2年夏には「2番遊撃」で甲子園に出場しベスト16。18年ドラフト7位で広島入団。19年は2軍で打率3割、23盗塁。9月度のファーム月間MVPを受賞した。今季はウエスタン・リーグ21試合で打率3割2分7厘、2盗塁。167センチ、69キロ。右投げ左打ち。