勇気を持って圧倒した。楽天則本昂が、日本ハム打線を9回途中6安打1失点で自身7試合ぶりの白星を挙げた。8回まで二塁も踏ませず約1カ月半ぶりの4勝目をつかんだ。

完封の見えた9回、3連打でマウンドを譲った。「最後しっかりと、1人で締めたかった」と悔しさを隠さなかった。

引き分けを挟み2連敗で迎えた7月24日オリックス戦。試合前練習中に近づいてきた三木監督から「チームに勇気をお願いします」と声をかけられた。「うちのエースだから、エースらしい投球も期待したい。でもあまり背負いすぎないように。シンプルに堂々とマウンドに立ってほしい」。

思いを受け止めた。4回1死、中田との対戦では今季最速154キロを計測。自己ワーストタイの3回で降板した前回、14日の西武戦では平均146・4キロだったが、150・1キロに上げた。「強い真っすぐがあったからこそ、決め球が生きた。フォークは一番信頼しているボール」と9奪三振中8個を懐刀で奪った。「ずっと仕事ができていなかった。今日は仕事ができた。9回を投げきれるようにやっていきたい」。エースが先頭に立ち、混パを抜け出す。【桑原幹久】