3タテ返しじゃ!! 広島坂倉将吾捕手(22)が値千金の決勝弾を放った。同点の8回、先頭で代打で登場。巨人大竹の初球、131キロ変化球をひっぱたいた。打球は高々と舞い上がり、右中間スタンドに飛び込む2号ソロ。「初球を振ることを決めて打席に入りました。芯に当たったので、抜けろと思いました」。積極打法で、代打打率3割6分4厘を誇る勝負強さをここぞで発揮した。

スタメンマスクで出場した同カード初戦の21日にも、今季1号のダメ押し3ランをかました。好調の要因は「積極的にいこうと思っているので、そこだと思います」と胸を張った。これでプロ通算3本目のアーチ。昨年8月1日のプロ1号も巨人戦だった。「全部巨人戦なんですよね。何でか分からないですけど」と笑った。

昨季の捕手での出場は3試合にとどまった。今季の目標には「捕手として出ること。それに尽きると思います」と掲げ、強い覚悟を示していた。オフには巨人炭谷と合同自主トレ。成長を遂げ、今シーズンのスタメンマスクは会沢に次ぐ12試合と、森下や遠藤らを巧みなリードでけん引している。打撃面も開幕延期期間中に西武森の打撃フォームを参考にするなど、貪欲な姿勢が結果につながった。

プロ4年目の若武者の活躍で、チームは今季初の同一カード3連勝。7月14~16日の巨人との本拠地3連戦では3連敗を食らっており、3タテ返しを決めた。佐々岡監督は「やられた分、やり返すという気持ちをみんなが持っていた」とナインの思いを代弁した。連勝の勢いに乗り、最下位からの大逆襲へ突っ走る。【古財稜明】