“議員監督”率いる北海学園大が、20年初戦を白星で飾った。

昨秋のリーグ戦後、OBで北広島市議会議員の島崎圭介監督(49)が就任。新体制初陣のこの日は、プロ注目の星槎道都大エース河村説人(4年=白樺学園)から5点を奪い6回降板させると、投手陣も田丸斐士(3年=帯広緑陽)、長沢龍世(3年=北海学園札幌)が無安打無失点継投で8回コールド勝利につなげた。

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昨秋4位の北海学園大が、プロ注目右腕を擁する昨春王者を投打で圧倒した。初回に相手失策に3単打を絡め3点を先制。6回2死満塁では、2番三浦琢斗副主将(4年=北海)の中前2点適時打で5点目を奪い、好投手河村をマウンドからひきずり降ろした。投手陣も右の田丸、左の長沢の横手投げ継投で無安打無失点。島崎監督は「選手の頑張りのおかげ。出来過ぎです」と笑顔で振り返った。

指導は原則週3~4日。午前の議会を終え、午後に指導に向かう日もある。不在の間は、メニューを学生コーチらに伝え、夜にスタッフから報告を受け、翌日以降のメニューを考える。今秋のリーグ期間も公務で2試合ベンチ入りできない予定だが「選手自身がやるべきことを分かってくれている。心配はしていない」と説明した。

コロナ禍で春のリーグ戦中止となったが4年生16人全員が現役続行。8月8日から9日間は「(昨秋までの)助監督時代から、やってみたかった」と午前7時から午後6時までの強化練習期間を設けた。宿泊を避け、全員通いでほぼ丸1日、野球漬けになる期間をつくり、一体感を創出した。

北海では右腕投手として甲子園に2度出場し、02年には札幌日大の監督としてセンバツを経験。元投手として先発田丸には「打者に攻める気持ちを忘れちゃいけない」と伝授。田丸は「死球も出してしまいましたが、助言通り内角の厳しいところを突けた」。強気な指揮官を中心に“政権交代”を狙う。【永野高輔】

▽6回被安打8、5失点の星槎道都大・河村 (プロ9球団のスカウト視察も敗戦)ボール自体には力があったと思うが、勝負どころで浮いてしまった。打線につなげられる投球ができなかった。エースとして自分が投げるときは負けないようにしていかないと。