日本ハムが痛すぎる逆転負けを喫した。楽天14回戦(札幌ドーム)の最終9回。3点リードでマウンドに上がった守護神の秋吉が、まさかの5失点でKO。その裏に1死満塁とサヨナラ勝利のチャンスをつかむも、西川が一ゴロ併殺打で試合は終わった。会心の勝利を目前でつかめなかった栗山英樹監督(59)は「まあ、クローザーを出しているので、それはこちらの責任」と淡々と振り返った。

戦略通りの試合展開を、勝利に結び付けられなかった。2番に今季初めて近藤を起用した打線は難敵の楽天涌井から、5回にしっかり得点を奪った。1番から始まった攻撃で大田、近藤が連打でチャンスを拡大し、西川の犠飛と中田の22号2ランで3得点。「みんな、何とかしようという気持ちが形になった」と栗山監督が試合前に「仕掛けなければいけない」と話していた打順変更が実を結んだ。

今季初登板初先発に抜てきした上原も、5回無失点と堂々と投げ切った。栗山監督は「本当に200点満点」と想定以上の内容もある力投で試合をつくり、6回はマルティネスを来日初リリーフで投入。8月20日楽天戦で右手薬指に打球を当てた影響で登板間隔が空いた助っ人は不慣れなシチュエーションながら3者凡退で切り抜けた。

最後は自信を持つブルペン陣で押し切るプランが、はまったかに見えたが、青写真は完成寸前で阻まれた。勝っていれば3位タイ浮上で貯金1から、借金生活へ再転落。「クローザーは大変だし、信じていっているだけ」と栗山監督は悔しい登板となった秋吉への信頼を口にした。痛恨の試合は、終わった。また、新たな試合へ切り替えて臨むだけ。悔しさをぶつける舞台は、たくさん残っている。【木下大輔】