ロッテのドラフト2位佐藤都志也捕手(22)がうれしいプロ初ホームランを放った。西武戦に「8番捕手」でスタメン出場。2回の第1打席で、平井の139キロ直球を右翼スタンドへ運んだ。佐藤は5回にも左越え2点二塁打を放ち、3打点の大活躍。チームの連敗を3で止め、首位ソフトバンクに3・5差の2位で食らい付く原動力となった。

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懸命に走った。2回。佐藤は真ん中高めにシュート回転して入ってきた平井の139キロ直球をジャストミートした。打球はライナーで右翼方向へ。「入ると思わなかったので無我夢中で走っている時に歓声を聞いてホームランだなと。ガッツポーズに素の喜びが出ました」。スタンド最前列へ突き刺さるうれしい先制のプロ1号に表情を崩した。

直後に、さらにうれしい出来事があった。東洋大時代、西武の試合を動画で見た。サヨナラ安打を打った栗山がヒーローインタビューで「チームの勝利のために」と熱く語る姿を見てファンになった。その栗山が打席に入る際、「ナイスホームラン」と声をかけてくれた。「今日は栗山さんの誕生日だったので変な気持ちですけどうれしかった」と笑顔を見せた。

5回には左腕斉藤大から2点適時二塁打。「2ストライクに追い込まれた中でも、甘い球をしっかり仕留められた。左ピッチャーを打ったこともすごい自信になります」。

2安打3打点で連敗を3で止める立役者となったが、満足はしない。6回の守備から田村と交代し「(2点リードの5回表で)勝ち投手の権利がつくというところで(金子に)同点2ランというのはキャッチャーとしてやってはいけない。そういうところをしっかり勉強しないといけない」。捕手として1試合を任されない悔しさを口にした。目指すのは巨人阿部2軍監督や西武森のような「打てる捕手」。攻守に精進を続ける。【千葉修宏】

▽ロッテ井口監督(プロ初アーチの佐藤に)「バッティングは良いのは分かっているので、何とか良い形で使えたらと思っていた。今日も結果をしっかり出してくれましたし、外野も練習してくれていろんな(起用の)パターンがあります」

◆佐藤都志也(さとう・としや)1998年(平10)1月27日生まれ、福島県いわき市出身。聖光学院では2、3年夏に甲子園出場。東洋大では2年春に東都大学リーグ首位打者に輝き、3、4年時に大学日本代表。昨年ドラフト2位でロッテ入団。今年の6月25日オリックス戦でプロ初出場。181センチ、83キロ。今季推定年俸1200万円。右投げ左打ち。