2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が6回に高校時代のライバルで同学年の巨人戸郷から適時打を放った。6回。4点差をつけてなお1死一、二塁で、1ストライクからの2球目直球を左翼線へ運び、二塁から大山が生還。終わってみれば1点差勝ちだっただけに、貴重な5点目となった。

9戦連続スタメンで、この日は初めて「伝統の一戦」に出場。「そこまで強く意識することはなかったが、相手が戸郷で、高校時代から顔なじみだったので、そこだけ意識していました」。小幡は延岡学園、戸郷は聖心ウルスラ学園とともに宮崎の強豪でプレーしたが、この日が高校時代も含め初対決。「昨年から活躍しているのを見て悔しかった。今日は絶対に打ってやろうという気持ちで臨んでいた」。2回も右前打を放ち、3打数2安打1打点と攻略した。

2人は宮崎県選抜でチームメートだった。2年前の8月31日に宮崎でアジア選手権前のU18侍ジャパンと練習試合で対決。小幡は5番遊撃、戸郷は2番手で登板した。相手には、それぞれドラフト1位の中日根尾、ロッテ藤原、広島小園、日本ハム吉田がいて、1学年下のヤクルト奥川ら18人中8人がプロ入りしたが、全員現在は2軍で奮闘中。現在1軍でプレーしているのは侍の相手だった小幡、戸郷だけだ。

小幡は8月29日広島戦(マツダスタジアム)に続いて2度目、甲子園では初のお立ち台に立ち「2年目の小幡です。自分も覚えてもらえるように頑張ります」と笑顔でアピール。阪神の10代選手が巨人戦で適時打を打ったのは91年新庄以来。若虎の象徴がチームに勢いをつけている。