オリックスが楽天に敗れ、自力CS進出の可能性が消滅した。先手を取り、粘り強く追いすがったが、エース山岡が浅村に同点弾、決勝弾と2打席連続ソロを浴びるなど、本塁打攻勢に沈んだ。借金は今季ワーストタイの19。両リーグ最速で40敗に到達した。

「(打線は)つながってはいるんですけどね」と中嶋監督代行は悔しさを押し殺した。4番の吉田正は初回の先制打で、連続試合安打を22試合に。あと1試合でイチローのオリックス時代の自身最長記録に並び、長池徳二のパ・リーグ記録32試合も見えてきた。

吉田正のあとを打つ5番には、仙台移動の疲労などを考慮して先発を外したジョーンズの代わりに、福田をプロ初の中軸に起用。その福田が3回に勝ち越し犠飛を放つなど、2安打1打点と奮闘した。それでも最後は1点が届かず。「粘れたんですが」と監督代行もくちびるをかんだ。

とはいえ、なすすべもなく負けているわけではない。中嶋監督代行のもと、今季の巻き返しを模索する。2軍強化を使命として古巣に戻った中嶋2軍監督を約1年半で1軍に引き揚げ、チームを託したのも、腰を据えて再建に取り組むフロントの方針だ。

勝てば、CS進出の可能性はまた生まれる。「勝っていけばチャンスはあると思うし、ゼロにならない限り、終わりまでは絶対に諦めませんし、勝っていくだけです」と監督代行。育てながら勝つ手腕と、チームをけん引する意思の力にオリックスの明日は委ねられている。【堀まどか】