広島のドラフト1位森下暢仁投手(23)が3回8安打5失点(自責点3)で6勝目はお預けとなった。3回にDeNA打線の猛攻を浴び、この回だけで5失点。プロ最短&ワースト失点での無念の降板となった。

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森下はベンチで悔しさをかみしめながら、ただぼうぜんとグラウンドを見つめた。6勝目を目指したプロ10度目の先発マウンドは、プロ最短の3回、ワーストの5失点で降板。4回の打線の猛攻で黒星は消えたものの、無念の結果に終わった。右腕は「3回はカウントを悪くしてしまい、連打を止めることが出来ず大量点につながってしまいました」と自分を責めた。

立ち上がりから精彩を欠いた。初回、先頭梶谷に左前打を許したが、細川を三ゴロの併殺打に仕留めた。しかし3番ソトに四球を許し、佐野には初球を右前にはじき返された。いきなり2死一、二塁のピンチを招く展開も、宮崎を外角カーブで中飛に打ち取り、なんとか難を逃れた。2回は最速151キロの普段通りの切れ味鋭い直球を軸に、3者凡退。立て直したかに思われたが、次に落とし穴が待っていた。

魔の3回。先頭の倉本に中前打を浴び、梶谷、細川に3連続単打で無死満塁の大ピンチ。ソトに外角151キロの直球を右中間に運ばれ、走者一掃の3点適時二塁打で先制点を献上した。2死二塁から柴田の一、二塁間への打球を菊池涼が捕球し一塁へ送球も、松山がまさかの落球(記録は内野安打)。不運な形で4点目が入り、今度は嶺井に右越え二塁打を浴びて計5失点。DeNA打線を止めることができず、その裏に代打を送られた。

新人王争いでライバル視する巨人戸郷もこの日阪神戦に先発し、6回途中5失点で3敗目を喫した。しかし勝ち星は2つリードを許したままだ。森下は次戦に向け「先発をさせてもらっている以上はゲームを作らないといけないので、同じ失敗をしないようにしていきたいです」と切り替えた。念願のタイトル獲得へ、ここで足踏みしているわけにはいかない。【古財稜明】