「ハマの豆苗」が中継ぎ陣に貴重な栄養! DeNAの2年目右腕・大貫晋一投手(26)が、プロ初完投で自己最多に並ぶ6勝目を挙げた。181センチ、73キロのスリム体形から変化球を丁寧に低めに集め、ひょうひょうと9回を112球、8安打1失点。今季チーム初の9回完投にして同トップの6勝目は、過酷な13連戦のさなか、登板過多のリリーフ陣に休養を与える、大きな白星となった。

9点リードの9回2死一、二塁。田中広を中飛に仕留めて27個目のアウトを奪った大貫は、ウイニングボールを手に笑顔を見せた。「いつもリリーフの方に助けられていたので、少しでも休ませることが出来たのならうれしいです。初めて1人で投げ切れたので、自分の中で大事なボールになると思います」。

食の細い右腕は、昨夏に体重が2キロ落ち「自分でも力が出ていないと感じた」という。今季は「意識して食べる量を増やしてます。常に気持ち悪いくらいの状態」。豆苗のパスタ、豆苗の豚肉巻きなど、大好きな豆苗メニューも自炊し体重をキープ。「今は疲れづらくなったと思いますし、ボールにも少し力がついてきた」と自信の表情。チームはここ2試合で7人ずつ、のべ14投手を起用してきただけに価値ある完投だ。

大貫は今回遠征では外出禁止もあり「ホテルに豆苗がなくて困ったんですが、なくてもなんとか投げられましたね」とにっこり。細身でも芯の強い「ハマの豆苗」が、シャッキリ歯応えのある投球で、勝利の味をもたらした。【鈴木正章】

▽DeNAラミレス監督(チームの連敗を4で止める大貫の完投に)「今年1番のパフォーマンス。『アンビリーバブル』の言葉以外見当たらないよ」