巨人沢村拓一投手(32)とロッテ香月一也内野手(24)のトレードが両球団で合意に達し、7日に発表された。10年ドラフト1位で入団した沢村は、今季は一時守護神として期待されながら7月に1軍登録を抹消され、異例の3軍降格も経験。巨人にとっては今季3例目のトレードで、推定年俸1億5400万円と650万円の年俸格差の大きな移籍で、将来性のある左の強打者を補強。沢村はパ・リーグで優勝争いをする新天地で剛腕復活を期す。

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男は黙って、自らの課題に真摯(しんし)に取り組んだ。8月上旬。3軍に降格した沢村は制球難の克服に向け、会田3軍投手コーチらとともに解決策を模索した。三塁側寄りだったプレート板の踏む位置を一塁側に変更。直球、スプリットの剛腕スタイルから、カットボールの精度を高め、カウントを取れるボールに加えた。降格後、3軍では4試合に登板。計5回1/3を無失点に抑えた。

1年目に新人王を獲得し、16年には最多セーブに輝いたが、余計なプライドは捨て、汗を流した。3軍投手陣では最年長の32歳だったが、10代や20代前半の若手と同じメニューを消化。腐らず、ひた向きに励んだ。14年1月、色紙に記した言葉がある。「伝説の経営者」と呼ばれるジャック・ウェルチの「Change before you have to」(変革せよ、変革を迫られる前に)。今、まさに変革を遂げる時が訪れた。【久保賢吾】