富士大(岩手)が7-0の8回コールドで八戸学院大(青森)を圧倒し、無傷の7連勝を決めた。

八戸学院大、青森大が3敗となったため、18年秋以来の優勝に王手。黒島投真内野手(4年=八重山)が4打点を挙げるなど、4年生が投攻守で躍動してチームを盛り上げた。早ければ19日の青森大戦勝利で、リーグ制覇と明治神宮大会東北地区代表決定戦(10月24日、青森・はるか夢球場)出場権をつかむ。

  ◇  ◇  ◇

富士大の黒島が「山川2世」らしい打撃で、仲間の祝福を受けた。5-0の8回裏無死二、三塁、タイミングをずらされたが、しぶとく中前に2点適時打。「最低でも外野フライで1点くらいの気持ちで、コンパクトに当てようと思った。OBの山川穂高さんに憧れ、映像を見たりして参考にしてきたから出来たのかもしれない」と笑顔。「山川さんも沖縄から富士大に行ったから」と沖縄・石垣島から厳冬の地に進学。優勝争いの大一番で成長した姿を発揮した。

3年時は右手親指付け根を痛め、約1年のリハビリ生活。昨年11月からようやく復帰した。ウエートトレーニングも重ね、172センチ85キロだった体は103キロへ急増。黒ちゃん、アグーの愛称は、鍛え上げた上半身とふくらはぎの太さから「角煮大根」にグレードアップした。「4番三塁」有力候補も、今春に再び右肩痛。秋にようやく間に合った。代打で登場した4回1死満塁でも、今秋ドラフト候補の八戸学院大・中道佑哉投手(4年=八戸学院野辺地西)から中越え2点適時打。3打数2安打4打点の活躍は、前日に18個の三振を奪われた打線の勢いも復活させた。

左肘の違和感から復帰したエース格の宇賀神陸玖投手(4年=作新学院)も6回から登板し、3回1安打4奪三振無失点。主将の河内愛哉二塁手(4年=広島商)も7回に右翼に抜けそうな当たりをダイビングキャッチして士気を高めた。10季連続優勝後、昨年2季は悔しさの連続。コロナ禍で今春は中止。今秋からは安田慎太郎コーチ(35)が監督に就任するなど激動だった。黒島は「今までと変わらず野球に集中するだけ。最後は笑って終わりたい」。この仲間と長く野球を続けるためにも、富士大打線の核になる。【鎌田直秀】