第2週から登場の慶大がエースの粘りで勝利した。木沢尚文投手(4年=慶応)が東大に6回5安打無失点で白星スタート。得点圏に走者を背負っても、あと1本を許さなかった。東大はリーグ戦50連敗。明大は入江大生投手(4年=作新学院)が立大を6回8安打3失点に抑え、チームに今季初勝利をもたらした。

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木沢は結果にこだわった。2、4、6回と得点圏に走者を背負いながら切り抜けられた要因を「欲を出さなかったこと。三振を狙わず、いい当たりでもアウトにすればいいと思いました」と話した。試合開始時から降り続く雨で足元がぬかるんだ。最速155キロが151キロにとどまり、3四球とばらついた。「東大は狙い球など割り切った攻撃をしてくる」と覚悟し、点を与えないことに集中した。

8月に行われた今春リーグ戦の反省がある。リリーフ登板した早大戦は、1点リードの9回に四球で出した走者をかえされ追い付かれた。延長で勝ちはしたが「僕の課題が集約されている。あの1イニングを、どう反省するか。教訓になっています」と謙虚に受け止めている。ドラフト上位候補に挙がる右腕を、堀井哲也監督(58)は「要所で、しっかりと投げ込んだのが一番の成果」とたたえた。

▽慶大・広瀬隆太一塁手(初スタメンに応え、初回にリーグ戦初安打となる先制2ラン)「左飛と思ったけど、伸びてくれました。自分のスイングができたのでホームランになりました」

▽巨人脇谷スカウト(木沢に)「この雨の中、多少荒れていたが、要所、要所を抑えるのは、さすが」