TDK(にかほ市)が4-2で昨年代表の七十七銀行(仙台市)を振り切り、5年ぶりに初戦を突破した。

今季公式戦初登板のプロ注目右腕・小木田敦也(21=角館)が6安打2失点で完投。昨年まで故障に苦しんだが、自己最速に1キロと迫る152キロを計測し、完全復活をアピールした。

5球団のスカウトが見守る中で快投した。初回に味方が2点を先取。気分を良くした小木田は2回、先頭の4番を152キロ速球で三振に仕留めて勢いに乗った。その後もコンスタントに145キロ以上の直球で押した。3点リードの9回は無死満塁から併殺の間に2点目を失ったが、「真っすぐを張られていたので後半は変化球を多めにした。最後は投げ急いでランナーをためてしまったが、逆に満塁になったので併殺にできた」と内容に納得した。

入社4年目。18年にはこの日の相手、七十七銀行の補強選手として東京ドームのマウンドにも上がったが、その後は右肩の違和感に悩まされた。復活を懸けた今年はコロナ禍で実戦から遠ざかったが、「この日に合わせてきた」と入念な調整を続け、体調面の不安もなくなった。角館の同期で、野手から投手に転向した最速153キロ右腕・赤上優人(東北公益文科大4年)もドラフト候補に挙がる。小木田は「負けられない。チームを優勝させて指名を待ちたい」とアピールを続ける。【佐々木雄高】