ソフトバンク東浜巨投手(30)が2位ロッテを相手に8回1失点の好投を見せ、今季7勝目を挙げた。チームの連敗を3で止め、対ロッテのペイペイドーム連敗も6でストップさせた。今季チームで5勝のうち、東浜先発の試合で3勝。「カモメキラー」がV争いのキーマンになりそうだ。

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東浜は顔中びっしょりにかいた汗を飛ばしながらほえた。8回2死一塁で西巻から空振り三振。8回1失点で堂々のカモメ斬りだ。自身はここ5度の登板で連続白星を挙げ、チームトップタイの7勝目をマーク。0ゲーム差、勝率1厘差で、負ければ首位陥落の一戦を制し「負けられない試合だなと思ってマウンドに立っていた。今年は優勝したいと特に強い思いを持って臨んでいるシーズン。勝てて良かった」とさわやかに笑った。ペイペイドームで6連敗中だったロッテにやり返した。再び1ゲーム差を付け、このカード中に首位を奪われることはなくなった。投手陣はロッテ戦で1試合平均6個以上の四死球を出し苦戦していたが、この日は3四球。ストライク先行でポンポンと攻めて5回2死までは無安打と、苦手攻略のお手本になるような投球だった。

ロッテとの今季対戦成績はこれで5勝11敗1分け。5勝のうち、好投しながら勝ち星が付かなかった開幕戦を含め3試合が東浜の先発試合だ。「後半戦は大事なところでよく回ってくる。相手がどこだろうといい緊張感を持って投げられている。いい意味で楽しみながら臨めているのかなと思います」。昨年からチームが苦戦している相手にも動じることなく向かっている。

右腕のカモメキラーぶりに工藤監督も「プレッシャーはあったと思いますが、落ち着いているように見えた。よく投げてくれた」。ロッテとはまだ2度の3連戦が控えており「投球の内容を見ると、うちのスタッフの中で一番すばらしい。しっかり考えていきたい」とローテを再編して直接対決にぶつけていく可能性も示唆した。まだまだ行方の見えない激しいV争い。東浜が天敵退治のキーマンになる。【山本大地】