虎がなんとも寂しい黒星を喫した。1回に相手のミスにつけ込み2点を先制したが、2回無死満塁の好機で無得点。同点とされた直後の4回の攻撃では北條の送りバント失敗があり、1点の勝ち越し止まり。5回はショート小幡の失策が失点につながって再び同点とされると、6回に先発ガンケルがソトに勝ち越しソロを食らった。

矢野監督 取れるときに点を取らないと。守りのミスもありましたし、流れがこっちに来るようなゲームにできなかった。

ガンケルは6回の1発がこの試合3被弾目。ソトには4回から2打席連発でアーチを浴びせられ、6回4失点。先発再転向後3度目のマウンドでも先発初勝利をつかめなかった。

矢野監督 ガンケルらしく投げているところもありましたし。ソロなので責められない部分もあるのですが、何とか打球を上げないようなガンケルの投球を期待したい。

揚塩球団社長が2度にわたって新型コロナウイルス感染者が相次いで出た責任を取って今季限りの辞任を表明してから一夜明けた試合。チームは前日9日に「目の前の試合を勝ちきることにこだわって」とエールを送られたが、ミスや攻めあぐね、先発が踏ん張れない複数要因が絡んで敗れた。

新型コロナによる大量離脱の影響は大きい。ガンケルを5回の打席に送って6回のマウンドに向かわせたが、指揮官は「中継ぎがどうしても苦しいので。ランナーなしであれば続投しようかなというところで」と説明。救援陣は岩崎、岩貞、馬場らを欠く。8日に本塁打を放った大砲ボーアをベンチから外し、エドワーズをブルペン待機させた。矢野監督が「競ったときに(エドワーズが)いないのは、ちょっと苦しい」と言うようにコロナ関連の離脱余波はボディーブローのように効いている。苦しい戦いを強いられる中、首位とは今季最大の14ゲーム差となった。【松井周治】