阪神守護神のロベルト・スアレス投手(29)が、異次元の快速球でDeNAの猛者を圧倒した。

1点リードの9回に登板。圧巻は先頭梶谷を抑えた後だ。前日2本塁打したソトに力勝負。初球から懐を突き、160キロで空を切らせた。さらに160キロで2球押し、ファウルが精いっぱい。4球目の内角球は161キロ。16年ソフトバンク時代の自己最速タイで、17年ドリスに並ぶ球団最速をマークした。

4連発で160キロ台を投げ込み、独壇場と化した。最後も昨季まで2年連続本塁打王のソトを159キロで中飛に斬った。「アドレナリンはいつも出ているよ。しっかり投げられている証拠。そこまで球速は意識していない」。オースティンには一転してスプリットで空振り三振。無双の3者凡退だった。在籍1年目からクローザーで節目の20セーブに到達。リーグ最多を走り、タイトルも射程圏だ。

「もちろん、チャンスがあると思うけど、できるだけ考えないように意識している。疲れもない。力強く終盤を迎えるために、これからも準備したい」

ソフトバンク時代は通算234セーブのサファテに学んだ。「『投球フォーム、こうなってる』とか、その都度教えてもらい、いろいろ助けてもらった。大きな存在。自分にとって見本になる抑えです」。17年4月に右肘のトミージョン手術を受けたが、まるで傷を感じさせない。剛腕の系譜を継ぐ男は、自然体で挑む。矢野監督も「スアちゃんがいてくれることで、何とかそこにつなごうと僕も思っている」と信頼。14&15年の呉昇桓、17年ドリスに続く、球団3人目の助っ人セーブ王へ突き進む。

▼スアレスが161キロをマークし、ソフトバンク時代に記録した自己最速と並んだ。阪神ではドリスと並び最速。藤浪の160キロがこれに続く。