ヤクルトのドラフト1位、奥川恭伸投手が7月20日以来の公式戦マウンドに戻ってきた。

イースタン・リーグ日本ハム戦に先発。プロ最長の3回を投げ、37球で1安打2奪三振1四球、無失点に抑えた。1回先頭の谷口は直球で追い込み、3球目のフォークを空振りさせた。「真っすぐで追い込んで落ち球で三振を取れた。そういう投球を続けていけたら」と手応えを感じた。

初回にこの日の最速151キロを計測。上半身のコンディション不良から実戦復帰した9月30日のBCリーグとの交流戦では、試合勘が戻らず「投球練習の延長という感じ」と言った。変化球も増え「前回に比べたらゲームに入れた感じが出てきた」。外角への制球が光り、捕手の構えたミットへずばっと決まるとトレードマークの笑顔を見せた。

ノースローの間もトレーニングに励み、体も大きくなってきた。高津監督は「両サイドの制球、変化球の高さ、やっぱりいいなと思った。順調に来てる証拠じゃないですかね」と評価。オリックス宮城が1軍先発を果たすなど、同期の高卒新人は着々と歩みを進める。奥川は「もちろん(1軍で)投げたい。できることをしっかりやって、その機会を待ちたい」。投球回や球数を少しずつ増やし、好機に備える。【鎌田良美】