西武が画期的な実証実験を実施する。本拠地メットライフドームでの開催試合で「禁止物を持ち込む可能性のある人の検知」を行う。入場ゲートに、入場者の過度なストレスや緊張を判別するシステムを導入するという。システムで捉えた人を自動解析して、色で精神状態を可視化。禁止物を持ち込む可能性がある観客を事前に把握することで、球場内のトラブルを未然に防ぐ。

サービス名は「DEFENDER-X(ディフェンダーエックス)」。運用実績は多岐にわたる。14年ソチ五輪で導入され、運用する「ELSYS JAPAN 株式会社」のホームページによると、検知人数の92%の人が結果的に入場拒否(理由は禁止物の持ち込み72%、異常行動8%、その他チケットなしなど20%)されたという。人間の目だけでは、判別できないリスクマネジメントを、最先端技術で補う。

球団広報は「今まで以上に入場をスムーズにするため、試験的に導入することになりました。来年からは入場ゲートも新しくなり、球場の改修も終了することから、より多くのお客さまが入場することが予想されます。今回の試験運用を検証して、来季導入するかどうかを検討します」とコメント。実施期間は20~22日、27~31日の8試合。今、目に見えない敵と戦う日常が続いている。野球を見ている時くらいは1度忘れて、プロが繰り広げる技の一挙手一投足に夢中になりたい。そんなファンの思いを実現する。【栗田成芳】