日本ハム近藤健介外野手(27)が、プロ初の5安打を放ち、4打点と爆発した。15日、西武21回戦(札幌ドーム)で5打数5安打、日本記録に並ぶ1試合4二塁打も記録した。打率を3割4分6厘に上げ、リーグトップのオリックス吉田正に4厘差と肉薄。初の首位打者獲得へ、怒濤(どとう)の追い上げが始まった。

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「先生」が本領発揮した。近藤が、偉大な一打を放った。8回2死、フルカウントからの6球目、145キロの外角直球を華麗にさばき、左中間を破る二塁打。プロ初の1試合5安打は、日本タイ記録の4本目の二塁打。「ちょっと怖いなという思いで走っていました」と、チャームポイントのえくぼを見せて笑った。

1試合4二塁打は史上13人目、球団では10年糸井以来。毎打席で自身のスイングを心掛け「それが、たまたま良い方向にいっているのかな」と分析した。1回は、右中間フェンス直撃の先制2点適時二塁打。2回にも中前2点適時打で4打点をマーク。4、6、8回はリプレー映像のように、左中間を破った。

栗山監督は「先生」と呼び「うちの選手も呼んでいるけど。打つ方向といい、狙い方といい。同じ打ち方を続けられるのは、プロ野球選手が見ても、学ばなければいけないものだった」と、手本のような姿を称賛。近藤は「貪欲に安打を狙いにいった結果が、良かったかなと思います」と振り返った。

刺激し合うライバルに、一気に近づいた。打率は3割4分6厘に上昇。トップのオリックス吉田正に4厘差に迫った。昨年の侍ジャパンでは同学年のチームメート。休日には、すしを食べに行くなど公私で交流を深めながら、高め合ってきた。「オリックス戦のたびに吉田のすごさを見せつけられて、気持ちが折れている」と苦笑いも「やるべきことをやって(タイトルを)取れたら」と、控えめだという欲をあらわにした。

チームでは中田、西川とともにタイトル争いに参戦中。首位打者、最高出塁率を射程圏に捉えている。「プレッシャーを、はね除けないと、ずっと取れない。このまま良い調子を保ちながら、最後に笑えるように頑張りたい」。とびきりの“コンちゃんスマイル”で有終の美を迎える。【田中彩友美】

▼1試合4二塁打のプロ野球タイ記録=近藤(日本ハム) 15日の西武21回戦(札幌ドーム)で記録。17年5月7日雄平(ヤクルト)以来13人目(パ・リーグ7人目)。日本ハムでは10年6月15日糸井に次ぎ2人目。