プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で開催される。札幌学院大の最速148キロ左腕・近藤廉(4年=東京・豊南)は、札幌6大学リーグ2部からのプロ入りを目指す。

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札幌学院大・近藤は22歳の誕生日、9月22日に志望届を提出した。「育成でも指名されたらプロにいく。他の就職先は考えていない。駄目なら浪人するか、そのときに考えます」とすっきりした表情で話した。

高校時代は無名も、大学3年春のリーグ戦で初めてプロの視察を受けた。「『直球に重さを感じる』と言われた。もしかしたら自分にも可能性があるのかなと」。以降、意識が変わり、練習前後のケアに、より時間をかけるようになった。今夏、社会人チームに練習参加した際、特殊な器具で投球の回転数を計測すると2700回転(1分間)を記録した。日本のプロ投手でも2500回転前後。米メジャー級の数値を出し、社会人スタッフをうならせた。

眠っていたDNAが目覚めた。豊南3年時の正月、祖父の家に遊びに行くと、広島高橋昂也がドラフト指名された際の写真入り年賀状が届いていた。近藤の祖父の姉が高橋の祖母であることを知った。「当時は自分には、この血は流れていないと思っていた」。同い年で同じ左腕として先にプロ入りしているはとこには、会ったことがなく「プロになれたら、あいさつに行きたい」と謙虚に話した。

大学で筋力強化を徹底し、体重は73キロから87キロと14キロ増。入学時135キロの球速は148キロまで13キロアップし、無名の存在から、7球団の調査書が届くプロ注目左腕となった。「高橋選手と同じ血が少し流れているかもと思えるようになった。2部でも頑張っていれば見てもらえることを証明できたら」。後輩たちの希望の星になる。【永野高輔】

◆近藤廉(こんどう・れん)1998年9月22日、東京・板橋区生まれ。小学2年時に蓮根ロータスで野球を始める。中学では志村ボーイズ所属。豊南では3年春の東京都大会2回戦が最高成績。3年夏の東東京大会は、エースとして初戦の城西大城西戦に登板し9回3失点完投も敗戦(2-3)。札幌学院大では1年春に札幌6大学2部リーグデビュー。通算3勝9敗。目標の選手は西武平良、ソフトバンク・モイネロ。家族は両親と姉。180センチ、87キロ。左投げ左打ち。