ネットに身を預け、打球に食らいついた。8回の守備、無死一塁で西武のセカンド山野辺翔内野手は、一塁ファウルゾーンネット際への打球に、フェンスの上に乗っかりながら捕球。すかさずネットの反動を使って着地すると、タッチアップを狙う一塁走者を二塁送球でタッチアウトとした。2点差とされ、傾きかけていたムードを再び引き寄せたビッグプレー。辻監督は「ラッキーボーイ。あのプレーは大きいよ。ホント助けた」と同一カード3連勝の立役者をたたえた。

4連勝。1カ月前は遠く離れていた2位が、くっきりと見えてきた。9月14日に2位ロッテと最大9ゲーム差の5位から、最終盤に入って3ゲーム差に詰めてきた。貯金生活も7月30日以来84日ぶりで、辻監督は「昨日勝った意味をさらに大きくする試合だった」。昨季最大8・5ゲーム差から逆転優勝した“終盤力”が出てきた。

2位を見据えつつも、壁が立ちはだかる。11連勝で首位独走のソフトバンクと敵地3連戦。辻監督は「(ソフトバンク)状態いいね。あと楽天に、ファイターズでしょ。大変だと思います」。地に足つけて福岡に乗り込む。【栗田成芳】

▽西武山野辺(8回に好プレー)「うまく(ネットに)引っかかった感じです。一塁走者をどのように刺したかはあまり覚えていないです。監督の言うように、しっかり一日一善をやっていけたらと思います」。