八戸学院大(青森)の最速150キロ右腕・大道温貴投手(4年=春日部共栄)が広島3位指名を受け、カープ女子に長く愛される大投手を理想に掲げた。「カープ女子という言葉の印象もあって、女性ファンの方が多いイメージ。プロなら出来る限りファンを大切にしたいので、人気がある選手になりたい。40歳でも最多勝を取れる投手が目標」。大学スタッフから手渡された赤の帽子をかぶると「赤(が基調)だった高校時代に戻った感じ」とイケメンの笑顔があふれた。

広島は1位から5位まで投手指名が並んだ。「それだけ投手に助けを求めている。役に立てる結果を求めていきたい」。広島から海を渡り、米大リーグでも活躍するツインズ前田の名前を挙げ「追いつかないといけない投手」と背中を追う。大学4年間で磨いた直球の球速と質をさらに高め「腕を振ってゾーンに思い切り投げていきたい」。評価された長所を生かして「沢村賞がトップの賞だと思っているので目指していきたい」と近い将来のエースとなる使命も感じていた。

サスペンスや刑事ドラマや映画などで、先を読む力も養ってきた。「人間観察は常に意識していますし、好きなこと。打者の細かい部分まで見ています」。今秋リーグ岩手大戦での7回参考ノーヒットノーランや、富士大相手のリーグ最多タイ18奪三振には、駆け引き術のたまものでもある。対戦したい選手は巨人坂本勇人内野手だ。リーグを代表する選手を封じるイメージを膨らませ、決意を新たにした。【鎌田直秀】