阪神がDeNA戦(横浜)で15安打13得点で大勝だ。右翼先発の陽川尚将内野手(29)がプロ初の満塁弾&2打席連続アーチ&5打点の大暴れ。矢野阪神最長タイの6連勝(引き分けを挟む)で2位を死守。貯金も今季最多の6とした。ドラフト1位で近大・佐藤輝明内野手(21=仁川学院)を指名。即戦力スラッガーの加入を前に、来季のポジション争いがすでに始まっている。

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秋晴れの横浜は阪神ナインの独壇場だった。闘志をみなぎらせたのは陽川だ。1回2死満塁。DeNA先発井納のスライダーをすくい上げた。豪快な打球は左翼席に吸い込まれる。今季6号はプロ初の満塁弾。ひと振りで4点を刻んだ。

陽川 昨日、チャンスで何回か回ってきて、かえせなかった。何とか積極的に行こうと思って打席に立ったのが結果につながった。

1本だけで満足しない。3回は速球を強打し、左中間フェンスを越えた。2打席連続本塁打もプロ入り初。自己最多のシーズン7発目&1試合5打点と大暴れだ。打線も一気に点火。4回は2点を奪い、5回は打者10人6得点の猛攻で、ワンサイドゲームに持ち込んだ。15安打13得点の猛攻で圧勝。昨季の最終盤以来となる矢野体制最長タイの6連勝だ。貯金6も就任以来最多タイとなった。

矢野監督 もう、陽川だね。2本のホームランでリズムというか、勢いがね。大きかった。アイツ自身、危機感を持ってやってくれていると思うんでね。

前日30日に宿敵巨人が優勝し、15年連続のV逸が決定。消化試合でも攻め手を緩めず、2位を死守した。ナインの発奮材料は、もう1つある。10月26日のドラフト会議でアマNO・1スラッガーの近大佐藤を指名。4球団競合で引き当てた。関西学生野球リーグ新記録の14本塁打を放った超大物だ。内野手だが、矢野監督は「佐藤君は外野もやっていたということなので、外野でやってもらいたいチームの事情もあります」と明かしていた。

この指揮官の発言に、心がざわつかない野手はいないだろう。外野で3戦連続先発の陽川も「しっかり、自分がやることをやっていきたい」と言い切った。内外野こなせる大物ルーキーの加入前から、野手が猛攻で存在感を誇示。来季につながる激しいバトルが早くも始まった。【酒井俊作】