中日与田剛監督(54)が2日、ドラフト1位、中京大中京・高橋宏斗投手(18)へ“与田超え”のエールを送った。

中日の日本人投手最速記録157キロを持つ指揮官は、指名あいさつに同校を訪れ「僕の記録なんてすぐに破ってくれますよ」と、最速154キロの高校生右腕の最速記録更新に太鼓判を押した。

高橋は高校時代に155キロを目指した。1キロ届かなかったが、さらに速さを求める。与田監督は「(今年のドラフト入団で)トップクラス。自分を高めるための目標は大事。球速にこだわるのもいい」と後押し。指揮官がほれ込んだのは直球だけではない。「変化球でストライクが取れる。高校生で150キロ超の直球を投げる同じフォームで、変化球も投げられる。僕は(1年目で)できなかった。あの年齢でできるのはすごい」。

高橋も与田監督の現役時のフォームを動画で確認中。「常時150キロ以上を投げられていた。いつか(157キロに)追いつけるような選手になりたいです」と、往年の速球王との初対面に刺激を受けた。

18年根尾、19年石川昂の高校生1位は2軍キャンプスタート。「ゼロじゃない。準備ができていれば使っていきたい」と就任以来初の高卒新人1軍キャンプ入りの可能性も認めた。「先発でローテに入って、将来のエースを目指してもらう。投手王国を作る力になって欲しい」。元速球王が、新速球王に竜投の未来を託した。【伊東大介】

◆高橋宏斗(たかはし・ひろと)2002年(平14)8月9日生まれ、愛知県尾張旭市出身。三郷小2年から三郷ファイターズで野球を始め、6年時にドラゴンズジュニアに選ばれた。尾張旭東中では豊田シニアでプレーし、3年夏は全国16強。中京大中京では1年夏からベンチ入り。昨秋の新チーム結成から負けなしで1年を終えた。最速は154キロ。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。