野球の独立リーグ、九州独立プロ野球機構の設立会見が4日、福岡市内で行われ、加盟2球団の構成や公式戦の計画などが発表された。「九州を元気に」「地域貢献と発展」をテーマに、地域に愛されるリーグを目指す。

「熊本火の国サラマンダーズ」と「大分B-リングス」によるホーム&アウエーの36試合をベースに、ソフトバンク3軍や四国IL球団などとの交流戦も含め、年間80試合予定している。シーズンは来年3月20日開幕で9月終了予定。10月にはIPBL(日本独立リーグ機構)主催のチャンピオンシップ大会への参加も予定している。熊本はソフトバンクなどで182セーブを挙げた同県出身の馬原孝浩氏(38)がコーチなどを務め、編成にも携わる。

九州各地にプロ球団を増やす構想もあり、1年前の構想から設立にこぎつけた同リーグの田中敏弘代表理事(50)は「九州全8県、8チームを目指して、来年度から動いていきたい」と意気込む。韓国や中国などのプロ球団とのアジアリーグ構想も見据え、「調査を行っており、マーケティング活動で実現の可能性を探っている」と明かした。

すでに15人の内定者がいる熊本は最大30人、大分は最大23人をめどに選手獲得予定で、7日に熊本・人吉市で行われる九州独立プロ野球リーグ主催の入団トライアウトで人選を進める。

ただ、潤沢な資金がないため、給料は熊本は月平均15万円、大分は月平均10万円予定。選手によっては、シーズン中であっても試合や練習に支障がない程度の“副業”を容認する。

「野球人たる前に社会人たれ」という願いも込め、選手には地元の災害復興ボランティアなどの活動を通じ、社会貢献活動も実践してもらうのも独自の特色。地域の元気の源になるべく、九州初の独立リーグが立ち上がった。【菊川光一】