ロッテ美馬学投手の8回途中1失点の好投は多くのものをもたらした。CS進出への可能性を残し、チームのAクラスを確定。そして自身の10勝目と規定投球回数クリア。

「気持ちを入れて、全力でいったつもりです」。シーズン最後の先発で、防御率も4点台から3点台とした。バトンを託した沢村、益田は完璧リリーフ。「マリーンズらしい勝ち方だったのかなと思います」とホッとした顔を見せた。

新天地の1年目が佳境を迎えた。勝てない時期が続き「明らかに雰囲気が良くなかった」。投手、野手関係なくコミュニケーションをとってきたからこそ感じる空気の変化。好投で“あの頃”を呼び起こした。「勝っている時の流れは今日みたいな試合。いい流れになれば」と願う。残り3試合。お立ち台で「チーム一丸で」と仲間に託した姿は、小さな瞳にはどう映っただろう。10月に1歳になった長男が、アンナ夫人と観戦。愛息の見つめる前で初めて白星を挙げた夜にもなった。【金子真仁】